富士の根付きしきみ

富士の根付きしきみ

富士市の大淵、今宮地区を中心とした標高約200mから400mの地域では、全国的にも珍しい「根付きしきみ」が栽培されています。
しきみは、主に仏教の祭事に用いられ、一般的にはお墓や仏壇に供えられる常緑小高木であり、悪いものから故人を守るという意味合いがあります。
普通、しきみは大きく育てた木から枝を切って束ねる「切り枝」のスタイルで出荷されますが、富士地域の「根付きしきみ」は、種を播いてから3年間育てた苗を畑から抜き取り、泥を綺麗に洗い落として、根が付いたまま出荷されます。そして、消費者の元では、根が付いたまま花立てや花瓶に生けられます。
富士地域の「根付きしきみ」は、生産者が1本1本手間隙掛けて芽を摘むことで、美しい形に仕上がっており、根が付いているので日持ちが良く、お盆やお彼岸といった物日には、全国から引き合いがある高級商品です。